請求書に記載すべき項目
請求書には「誰が誰に、何について、いくらを、いつまでに」請求するのかを明記します。具体的には、自社と取引先の情報、重複しない請求書番号と発行日、商品やサービスの内容と金額、税額、合計金額、そして支払方法です。消費税・VAT・GSTなどの課税事業者として登録している場合は、国ごとにさらにいくつかの記載が求められるのが一般的です。
必ず記載したい基本項目
- 冒頭に「請求書」と明記する(見積書や領収書と取り違えられないように)
- 自社の名称、住所、連絡先(ロゴがあればロゴも)
- 取引先の名称と請求先住所。法人なら正式な名称
- 連番になっている、重複しない請求書番号
- 請求日(請求書の発行日)
- 商品・サービスごとの内容、数量、単価、金額
- 小計、値引き、税額、送料、そしてご請求金額の合計
- 通貨(文脈から明らかでない場合)
- 支払期日、または「Net 30」などの支払条件
- 支払方法:振込先口座、支払いリンク、利用できる決済手段
税務ルールで求められる追加項目
VATやGSTといった付加価値税の登録事業者になると、請求書は税務書類の役割も持ち、多くの国で記載事項が定められています。たとえばEUでは、正式なVAT請求書にVAT番号、請求日と異なる場合の取引日(供給日)、税率ごとの税抜金額、VAT税率、VAT額を記載しなければなりません。EU域内の他国の事業者に販売する場合は、取引先のVAT番号と、リバースチャージが適用される旨の記載が必要になることがよくあります。
ほかの国にも同様の規定があります。英国はEUに近いルールを採用しており、インドのGST請求書には供給者のGSTIN、供給地、HSNコードまたはSACコードが、オーストラリアのタックスインボイスにはABNが必要です。日本でも2023年10月に始まったインボイス制度により、適格請求書には登録番号、税率ごとに区分した金額と適用税率、消費税額などの記載が求められます。ルールは改正されることがあるため、テンプレートに頼る前に税務当局のウェブサイトを確認するか、税理士に相談してください。
入金を早めるために書いておきたい項目
- 取引先から発注番号を指定されている場合はその番号。番号がないと支払処理をしない経理部門も少なくありません
- 取引先の経理担当者の名前
- 「業務委託費」の一言で済ませず、各明細を短く具体的に書く
- 請求の対象となる期間やプロジェクト名
- 契約で定めている場合は、支払遅延時の条件
- 感謝のひとこと:コストはかからず、良好な関係を保てます
入金が遅れる原因になりやすいミス
請求書が処理されずに止まってしまう主な原因は、取引先情報の記載漏れや誤り、発注番号の記載漏れ、承認者が内容を判断できないあいまいな明細、そして計算の合わない合計金額です。請求書番号の重複も、自社と取引先の双方の帳簿で問題になります。
送付前に、取引先の正式名称と住所を契約書と照らし合わせ、番号が使用済みでないかを確認し、承認する担当者になったつもりで明細を読み返しましょう。合計を自動計算してくれる作成ツールを使えば、計算ミスはなくなります。
シンプルな請求書の記載例
短いサービス請求書で、基本項目がどのように配置されるかを示します。レイアウトは自由ですが、すべての項目がそろっていて見つけやすいことが大切です。
請求書 INV-2026-014 請求日:2026年10月3日 支払期日:2026年10月17日(Net 14) 請求元:リベラデザインスタジオ 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-2-3 登録番号:T1234567890123 請求先:株式会社ノースウインド 経理部 御中 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田4-5-6 注文番号:NW-7781 ブランドリニューアル(ロゴ・カラーパレット) 1 × 180,000円 180,000円 SNS投稿用テンプレート 10 × 4,500円 45,000円 小計 225,000円 消費税(10%) 22,500円 ご請求金額 247,500円 お振込先:○○銀行 渋谷支店 普通 1234567 リベラデザインスタジオ 今後ともよろしくお願いいたします。
前受金・分割払い・訂正の扱い
取引先から前受金を受け取っている場合は、最終の請求書にそれを記載し、合計金額、支払済みの金額、残額がひと目でわかるようにします。支払いを求めるたびに、それぞれ番号を付けた別の請求書を発行しましょう。
送付済みの請求書を訂正・取り消す必要があるときは、元の請求書を書き換えてはいけません。元の請求書番号を記載したクレジットノートを発行し、そのうえで正しい請求書を新たに送ります。こうすることで、自社と取引先の記録が一致した状態を保てます。
BillOakで請求書にまとめる
BillOakのエディターには、基本項目ごとに入力欄があります。自社情報とロゴ、取引先情報、請求書番号、日付、支払条件と支払期日、注文番号、明細、割引、税、送料、支払済金額、メモ、条件です。「支払条件」の欄に「Net 30」と入力すると、支払期日が自動で入ります。登録番号や振込先口座などの追加情報は、住所欄やメモ欄に書いておけば、すべてのPDFに表示されます。
よくある質問
請求書に署名や押印は必要ですか?
多くの国では不要です。とくに電子的に送る場合、署名がなくても請求書は通常有効です。ただし、業界や取引先によっては署名や押印を求められることがあるため、契約内容を確認してください。
税の登録番号は記載する必要がありますか?
消費税・VAT・GSTなどの課税事業者として登録している場合、通常は登録番号の記載が必要です。登録していない場合でも、その旨の記載を求める国が多くあります(ヨーロッパの一部にある小規模事業者の免税制度など)。お住まいの国のルールを確認してください。
請求書は手書きでもよいですか?
必要な項目がそろっていれば、一般的には問題ありません。ただし、一部の事業者に電子インボイスを義務づける国も出てきています。作成ツールを使えば速く作れて、計算ミスも防げます。
請求書はどの通貨で作成すべきですか?
通常は取引先と合意した通貨です。税額を自国通貨で表示するよう求める税務当局もあるため、海外の取引先に請求する場合は確認しましょう。
振込先の口座情報は請求書に書くべきですか?
はい、銀行振込で支払いを受けたい場合は記載しましょう。口座名義、銀行名、口座番号またはIBAN、海外からの送金ならSWIFT/BICコードも書きます。メモ欄に入れておけば、毎回の請求書に表示されます。